てきとうなメモ

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科学を語るとはどういうことか

物理学者の須藤靖と哲学者の伊勢田哲治の対談。科学哲学について須藤さんが伊勢田さんに聞いていくという形で進む。

何というかまったく噛み合っていない。須藤さんが科学哲学に対する疑問を提示し、伊勢田さんが主流の考え方を述べるのだが、最終的に須藤さんがそれは当たり前の考えではないのか?その考え方は何の役に立つのか?として話が終わってしまう。

個人的には科学の外から科学のプロセスの検証(とまでいかなくても整理)は必要かなと思うし、科学者側はそこらへんをあまり整理してこなかったし、一方で科学者がやってしまうと客観性も崩れてしまうように思う。

ただ、それがどこまで何の役に立つのかという須藤さんの指摘は科学者としての率直な意見だと思うし、私自身もあまり突き詰めすぎるとそこまで細かく論じて何か意味があるのかという気もする。

まあしかし、ここまで殴り合っている対談もめずらしく楽しく読めたかな。