てきとうなメモ

本の感想とか技術メモとか

「Spidering Hacks」におけるスパイダーのマナー

岡崎市の図書館の事件で「Spidering Hacks」が引用されているのを見て、ちょっと読み直していた。

この本はスパイダーの書き方について書いているけど、技術者のマナーという面についてもそれなりの量の文章が書かれてある。翻訳本なので、日本の法制度や価値観に合っているかどうかという問題もあるけれども、共感する部分の方が多い。で、この本のマナーという面で見ると今回の事件の容疑者であるlibrahack氏の行動自体はあまり推奨されない行動だと思われる。

例えば、hack #17では必ずrobots.txt尊重するようにと書いてあるし、hack #5ではスパイダーのUser-Agentヘッダに連絡先情報を含めておくことを推奨している。さらに同じくhack #5では進んでクロール先にコンタクトを取ることを推奨している。しかし、librahack氏はrobots.txtを無視していたし、連絡先情報も含めていなかったようであるし、クロール先にコンタクトを取ることもなかった。コンタクトについては館長が了解を求めないアクセスが問題(朝日の記事はリンク切れ)という発言があったのだけども、この意見もこれ自体はそんなにおかしなものではないんじゃないかなと思う。「だから逮捕されたんだ」という意味に取るとひどい意見ではあるのだが。

hack #5からちょっと引用する

常識を持ち(ウェブサイトからすべてのものをダウンロードして自分のものとし、それで問題ないと考えてはいけないのです)、著作権を遵守し(新聞社の記事をまるごと自分のサイトに貼り付けてはいけないのです)、許可を得るようにしてください(最悪の場合でも、ノーという答えが返ってくるだけですよね?)

確かにたったこれだけの話。難しい話でもないし、大した労力もいらない。法律で明確に禁止されていないからやってもいいんだというのではなくて、相手の意思を尊重して合意できる点を探していくとした方がいいんじゃないかなと思う。