狂気の核武装大国アメリカ
- 作者: ヘレン・カルディコット,岡野内正,ミグリアーチ慶子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/07/17
- メディア: 新書
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全体的にうさんくさかった.適度に情報ソースがついているのだけども,本当にそうなのと思う部分には情報ソースがない.それに,著者は自分が事実だと思っていることをそのまま述べているだけで突っ込まれることを想定せず何も検証していない.だからうさんくさいんだろうなあと.
とりあえず序文にあったうさんくさい部分を羅列してみる
- 日本が空母と原子力潜水艦と長距離ミサイルを導入予定
- 空母はそれっぽいのを見つけたけども他は聞かない
- ベトナム戦争時アメリカは沖縄に1200個の核兵器を置いた
- アメリカが日本に核兵器を持つように要求している
ぐぐってもみつからないや.
この本自体は2002年に書かれている.今になって訳書が出たということなんだけども,これは失敗だったなあと.北朝鮮とイランが安全な国で核とは関係ない国のように書かれているのがイタイ.後だしじゃんけんなので同情するけども,納得できる根拠を提示せずに擁護しているのでまあしょうがないか,
ミサイル防衛はお金の無駄とか逆に核兵器開発を促してしまうとか書いているのだが,これはよくわからないなあ.
この2つは両立しないよね.あと,迎撃することによる被害を問題視しているのだが直撃するよりかはましだろうし,悪いのはミサイル撃った方なので,迎撃した側が批判されるのは割にあわない.
あと,核科学者に対する偏見がひどい.感情を持っていない生き物だと見られている.核科学者はほとんど例外なく男性なので核兵器開発を自分の経験できない出産に例えている,みたいなことを書いているのだが,マンハッタン計画にも女性科学者はいたんだけどね.また,人体を機械と表現することに対して感情がないと批判しているんだけども,そんな比喩表現っぽいものを問題視しても...
かなり引き気味に読むと陰謀論として面白いかも.