てきとうなメモ

本の感想とか技術メモとか

[Book][Science] 超常現象の心理学

メモ

  • オカルトそのものに対する批判ではなく、オカルト論者の論理に対する批判という点は重要だし適切だと思う
    • 血液型性格判断への批判に対しては、適切でない批判についても指摘している。「4つの型に性格が分類できるわけがない」など
    • 大槻教授批判もしていたが、これについては具体例が少ないので、ちょっと弱いかな
  • 心理学者の悩みの部分は難しい
    • 科学としての心理学は客観性を重視する。しかし、臨床心理学は客観性よりも有用性を重視する。たとえ客観性のない理論を用いてでも実際に患者を治療できないと意味が無い。しかし、その客観性のない理論に患者がのめり込んでしまうかもしれない
  • 占いを煙草に例えて比較していたのは的確で面白い
    • 煙草は一時のストレス解消になったとしても、基本的には健康に良いものではない。占いも一時的には好ましい効果をもたらすことがあっても人生設計などにおいては非合理な選択をもたらす確率が高くなる
    • 煙草は吸わないひとも巻き込んでしまう(受動喫煙)。占いも経営者や政治家が信じてしまうと従業員や国民が巻き込まれる
    • 煙草の害はメディアを通して広く訴えられており、その問題点は一般に浸透している。しかし、占いは危険性を警告する情報がメディアにほとんど流れていない。だからこそ、専門家が批判しなければならないだろう