てきとうなメモ

本の感想とか技術メモとか

ソフトウェア特許

なんだか以下の部分が気になった。

Appleが言うような「独自の技術」というのもただの幻想である。そもそもiPhone OSはUNIXベースであり、UNIXAppleが開発したわけではない。データストアとして利用されているSQLiteだってAppleが開発したわけではない。例を挙げればキリがないけれども、コンピュータソフトウェアは様々な既存の技術を土台として成り立っている。まったく新しい独自の技術などというものは存在しないのである!(もしそのような技術があったとしても、他の技術と互換性がなければそれはガラパゴスと呼ばれることになるだろう。)

完全にオリジナルな技術は存在していないというのは当然のこととして特許という制度は存在するのだと思うのだが。特許を書くときは先行技術を指摘しておいて、それに対してこのようなオリジナルな部分を追加したよというような書き方をするものなので、こういう指摘をしても意味はないのではないのかなと。もちろん、その追加した部分が大したことないので、特許にすべきではないという議論はあって然るべき。しかし、それは特許の審査に関する話で、特許そのものの問題点ではないと思う。

あと、ソフトウェア特許に反対する意見はよく聞くのだが、納得できない部分が多いのでイマイチ支持できない。

よくあるのは、ソフトウェアは特許になじまないという意見なんだけども、これの根拠がよくわからない。例えば

ソフトウェア特許は以下の問題点が指摘されています。

  • 適用範囲が広すぎる...(略)
  • クロスライセンスという制度...(略)
  • 特許の有効期間...(略)
ソフトウェア特許 - SyncHack

てなことが指摘されているのだけども、これってソフトウェアに限った話ではないと思う。ソフトウェアの進歩のスピードが特段速いとも思えなので有効期間について特別視する必要は感じない。適用範囲が広いものは通常審査で落とされる。もちろんおかしな特許が登録されてしまうことはあるんだけども、それは審査を厳しくすべきという話であって、ソフトウェア特許そのものに反対する意見にはならないんじゃないかな。クロスライセンスに関してはクロスライセンスの問題点であってソフトウェアかどうかの話とは関係なさそう。

納得できる理由があってそれがソフトウェアの開発者/利用者全体にとって利益になるのであれば支持するのだがなあ。