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二大政党制批判論

二大政党制批判論 もうひとつのデモクラシーへ (光文社新書)

二大政党制批判論 もうひとつのデモクラシーへ (光文社新書)

二大政党制の元では政策が中道化をもたらすが,政権交代後,前政権との違いを出すために急進的な政策を打ち出すという指摘は面白かった.確かに現状はそんな感じがする.

全体的には二大政党制と多党制を公正に比較しているわけではなく,前者のデメリットを集めたという感じがした.デメリットは分かるんだけども他の制度にデメリットがないわけがないのだし,その辺りを比較/考察が乏しい気がする.

あと,新しいデモクラシーの手法として,「熟議デモクラシー」と「闘技デモクラシー」を提案していんだけども,どうだろうなあ.「熟議」については有識者が議論するのではなく,有権者に情報を与えて熟議するということらしいんだけども,有権者がそんなにコストをかけてくれるとも思えない.「闘技」については,敵対する意見を合意の元に潰さないというのは分かるんだが,じゃあどうするのというのがよくわからなかった.