ニュルンベルク裁判

- 作者: アンネッテ・ヴァインケ,板橋 拓己
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2015/04/24
- メディア: 新書
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ニュルンベルク裁判(米英仏ソによる国際軍事法廷とその後のアメリカ単独による継続裁判)の概略をつかむためには良さそうな本だった。著者は勝者の裁きであるとか法の不遡及に反するという批判はあるにしろ、裁判以外の方法はなかっただろうし、国際人道法やハーグ国際刑事裁判所などにつながっていったという点で評価しているように思えた。しかし、法の不遡及を破ってしまうとやはり法の権威は落ちてしまうだろし、それを言っていいのかなという気がするが。戦争時に法律なんか関係ないという立場だったらそれでもいいのだけども、戦争にも法の秩序をという立場だと思うので。
以下メモ。
- もともとチャーチルさん辺りはナチスの主要犯罪人は問答無用で殺してしまえという立場だったようだけども、ソ連が人民裁判のノリで裁判に賛成したり、国際世論に押されて裁判することになった
- 国際軍事法廷
- 継続裁判
- 人体実験に参加した医師、司法省次官、親衛隊高官、治安警察と保安部、国防軍最高司令部、経済界の大物、政府閣僚などを裁いた
- 被告人185人のうち、死刑25名、無罪は35名
- その後、教会や政治家によるニュルンベルク裁判に対する批判が発生し、有期刑者の恩赦が行われる。この辺りは日本と似ている気がする。
- ちなみに有名なニーメラーも判決を批判している
- ニュルンベルク裁判の実体法と手続き規定を参照してハーグ国際刑事裁判所が始動した。