- 作者: パルヴェーズフッドボーイ,植木不等式
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2012/01/31
- メディア: 単行本
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- イスラーム圏における科学や科学教育の現状や科学をイスラーム化しようとしている動きについての批判といった内容。現状といっても1991年に出版されたものの翻訳なので、ちょっと古いのだろうけども。
- 欧米の創造論者の話は読んだりしているのだが、イスラーム圏でも同様の話が起こっていることについては読んだことがなかったな。相対性理論を用いた天国の速度の計算や精霊からエネルギーを取り出すとエネルギー問題を解決しうるなんて話が真面目に論じられているらしい。空想科学読本の範囲だろうに。
- このようなニセ科学的な話までいかなくても、イスラーム圏では科学が重要視されていないらしい。論文数、科学教育にかけるお金が少ない。
- その原因の1つには宗教と科学の対立があるわけだが、西洋にもキリスト教があるわけで、イスラーム教特有の原因はないのか。
- イスラーム教はキリスト教に比べても、政治への関わり方が大きかった。イスラーム教には教会のような中枢機関が存在しないため、誰でも独自に聖典を解釈できるらしい。ある意味民主的な気がするのだが、政治的権力者が聖典を独自に解釈して利用することも可能になるし、それを批判できる宗教的権威に該当する教会がないよね。ということかな。
- あと、前言でモハンマド・アブドゥッサラームが指摘しているようにタクフィール(不信仰者であるとの宣告)の利用は問題。