ネットvs.リアルの衝突―誰がウェブ2.0を制するか (文春新書)
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/12
- メディア: 新書
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前半はWinny裁判の話.どうも金子被告は思想犯であるという著者の認識が強く感じられる.現状の著作権に疑問を持っている(疑問というか問題点みたいな物を感じている)人は少なくないだろうし,そういったことを考えていた=現状の著作権を変えるためにWinnyを開発したとはならないだろう.Winnyを作ったのは単に技術的な関心からなんじゃないかと思うんだがなあ.
後半はその他のネットvs.リアルの話題について語られている.TRONがアメリカの圧力で失敗した話とか,ICANNやオープンソースコンソーシアムなどで見られる中国の戦略とか.ちょっと雑多な話題だけど,知らないことも多くて勉強になった.
ネットvs.リアルというとインパクトがあるフレーズになるけれどちょっと意味を掴みにくい.読んでみると既存の権力vs技術者という話でネットに限らずよくある話ではないかと.問題意識は大切だと思うんだけれどね.