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放射線医が語る被ばくと発ガンの真実

放射線医が語る被ばくと発がんの真実 (ベスト新書)

放射線医が語る被ばくと発がんの真実 (ベスト新書)

震災以降twitter等で活躍されていた中川恵一氏の本。最近はあまり見かけていない気がする。twitterやっていた頃から慎重に発言するタイプではなかったイメージがあって、それはこの本でも変わっていない。福島ではがんは増えないと断言してしているし、多くの人が避難しなかった広島と避難したベラルーシ平均寿命を比較して避難することの問題を指摘するのはどうかと思う。平均寿命だけ比較しても要因が多すぎるだろう。

また、全体的に放射線の問題が小さいということの根拠となる文献があまり紹介されていないのがあまりよろしくない。ただ、そこをつっこむと世の中の新書はそういうものなのでしょうがないのだけども。

ちょっと面白かったのは一部で有名な早川由紀夫氏のマップを使って飯館村への避難指示が遅かったことを批判していた事。異なる意見の人の成果をこうして取り上げているのはすばらしい。

あまり新しい知見はなかったのだが、過剰避難の問題に関して引用しているロシア国政府報告書は知らなかった。たぶんこれだと思う。

ロシア語なんで読めないが、本書では結論部分の日本語訳が引用されている。ロシアの結論としては放射線の影響よりも、ストレス、生活様式の破壊、経済活動の制限、事故に関連した物質的損失の方が大きな損失をもたらしたとしている。