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スキャン代行業者に対する質問状

質問書
前略
別紙記載の差出人(以下「差出人」といいます)は、貴社が、受注による市販書籍のスキャン事業(以下、「スキャン事業」といいます)を行っていることを把握しております。これに関し、貴社に以下のとおり質問します。
(質問1:)
 スキャン事業を行っている多くの業者は、インターネット上で公開されている注意事項において、「著作権者の許可を得た書籍のみ発注を受け付ける」「発注された書籍は著作権者の許可を得たものとみなす」などの定めをおいています。
 差出人作家は、自身の作品につき、貴社の事業及びその利用をいずれも許諾しておらず、権利者への正しい還元の仕組みができるまでは許諾を検討する予定もないことを、本書で通知します。
 かかる通知にもかかわらず、貴社は今後、差出人作家の作品について、依頼があればスキャン事業を行うご予定でしょうか。
(質問2:)
(1)貴社はスキャン事業の発注を受け付けるに際して、依頼者が実際に私的利用を目的としているか否かを、どのような方法で確認しておられるのでしょうか。
(2)貴社は、スキャン事業の、法人からの発注に応じていますか。
ご多忙とは思いますが、以上の各質問に対し、2011年9月16日までに、本質問書に添付の回答書により、下記の宛先までご回答下さい。
出版七社連絡会事務局

妥当な質問なんじゃないのかなあ。著作権者が明確に拒否しているのであれば、「著作権者の許可を得た書籍のみ発注を受け付ける」という自身の規約に反しているわけだし、私的複製以外でスキャンをするのも問題だろうし。

(追記)
こちらの方の意見の前半に賛成かな。後半についてはそもそも代行業者のやり方は過激ではないのかなと疑問に思うので賛同できないけど。

「技術的に可能になった」というだけで、「できないのはおかしい!」という方向へ飛んでしまうような議論は、自分は好きではないし、「正式な電子版が流通しないうちはこういうサービスが必要」という議論も、著作権者に「いかなる形で複製し流通させるか」を決定する権利を専属させている今の著作権法制度を尊重する限り、成り立たない議論ではあると思うのだけれど、「電子化」という大きな世の中の流れの中で、新たに登場したサービスを何でもかんでも叩こうとする権利者側の姿勢が、進歩的、かつこれからの時代の有力な購買層となるであろう人々の目にどう映るか、ということを考えると、こういう過激なやり方を支持する気にもなれない。

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