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Orphan Works

今、アメリカで信じられない法案が審議されようとしています。もし可決されれば、多くの創造活動を営むアーティストやクリエーターは壊滅的打撃を受けることになります。

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はてブ経由でこんなの見た.元ネタはこちら.

法案はこれかなあ

長いし文章が難しいのでこっちのプレスリリースと法案の概略のみ読んでみた.

簡単にまとめるとこんな感じ.

  • 著作権者が誰か分からない,もしくは誰かは分かるけど所在が分からない著作物(orphan works)がある
  • 損害賠償請求されるかもしれないことを考えるとこれらの著作物を利用するのが難しい.
  • そこで,十分に検索した後でなら利用しても良いとする
  • でも,著作権者が判明したら,著作者は利用者から補償金をもらう権利がある
  • 十分に検索していなかったら,通常の損害賠償請求されてしまう.

で元記事にもどる.

ところが、Orphan Art Billが可決されれば、アートを創造した作家に著作権が与えられるのではなく、その作品をしかるべき登録事務所に登録した人間にその著作権が与えられることになります。三十年以上の過去に遡って、すべての芸術的作品、一遍の詩曲、一枚のスケッチ、一枚のスナップ写真にいたるまで登録をしないとその著作権が認められず、もし他者によってその作品が先に登録されてしまうと、作った本人にすら無断使用が許されないことになります。

著作権が登録者に与えられるなんてどこにも書かれてないと思うんだが...ので,著作権者は従来のまま作家に与えるように読めた.

問題になりそうなのは利用者が検索にかけるコストと権利者が登録にかけるコストの大きさだろう.

検索については

  • 合理的で適切でなければならない
  • best practiceを用いる
  • 利用の直前に行う

という条件があって,best practiceの内容によっては利用者の負荷が大きすぎたり,逆にちょっと検索しただけで無断利用が可能になって権利者が不利益を被ったりしそう.

登録については義務ではないのだけども,登録しておけば十分に検索しなかったことを証明しやすいだろう.おそらく登録料は必要になるのだけども,無断利用されるかもしれないというリスクを選ぶかのどちらかだなあ.

全体的には,通常の(orphan workではない)作品が検索して見つからないということはなかなかないのではと思うし,もし著作権者が利用を許可していないものであっても補償金が払われるわけだし,そんなに問題な法案だとは思わなかった.